お気に入りの書籍紹介『地域を変えるデザイン』×『地方消滅』
こんにちは、Gaji-Labo 山岸です。
今年 Gaji-Labo では、はじめてアドベントカレンダーに挑戦しようと思います。テーマは「お気に入りの書籍」。技術書にとどまらず、個人的にお気に入りの書籍を紹介していきたいと思います。
Gaji-Labo Advent Calendar 2014 の記念すべき初日である今日は、2冊立て。お気に入りの一冊と、それを鏡合わせのように補強する一冊を合わせて紹介したいと思います。
地域を変えるデザイン
まず紹介したいのは『地域を変えるデザイン――コミュニティが元気になる30のアイデア』。
これは山岸の個人ブログでも紹介したことがある一冊で、「人がつながると、新しい夢が生まれる」「わくわくするデザインの最前線は『地域』にある」というコピーの元に様々なデザイン事例が集められています。地域を変えるキーイシューとキーデザインで構成され、最終章では思考、コミュニティ、行政への言及があります。
キーデザインは以下のように分類され、どこから読み進めてもいいし、気になる箇所を拾い読みすることもできます。
- 日常を発掘するデザイン
- 想像力を耕すデザイン
- 気持ちをカタチにするデザイン
- 格差を埋めるデザイン
- みんなを育むデザイン
全体を通して楽しい気持ちで読み進めることができる、とてもポジティブな内容なのがよいですね。
地方消滅
合わせて紹介したいのが、『地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減』です。
こちらは前者とは異なり、大変ショッキングなデータと内容が淡々と提示されます。書籍中に使用されている「消滅可能性都市896のリスト」には、2014年5月に発表した当時も大きな反響があったそうです。
消滅や破綻といったキーワードで展開し、根深い問題に切り込んでいく内容ですが、後半で示される若年女性人口増加率から見た「地域が活きる6モデル」は興味深い内容です。
- 産業誘致型
- ベッドタウン型
- 学園都市型
- コンパクトシティ型
- 公共財主導型
- 産業開発型
巻末に収録されている「全国市区町村別の将来推計人口」データを眺めるだけでも、この本に触れる価値があるような気がします。
なぜこの二冊なのか
なぜこの二冊を合わせて紹介したいのかというと、ソフトとハードの問題をうまく補完しながら考えることができる二冊だと思うからです。ちょっとしたフレームワークになり得るというか。
前者だけでは、どこで誰が何をするのかという現実への押しが弱い感じがある。後者だけでは不安が先行してしまうし、どこかお役所仕事的なにおいがする。しかし、両方を合わせて読むと、立体的に見える部分がかなり出てきます。
「地域」というキーワードは公共性の高いものとして考えられがちですが、これからの社会はパブリックとプライベートをどうつないでいくかが求められてくるのではないかと思います。この二冊の組み合わせには、そうした時代に向けたたくさんのヒントが詰まっている…と私は考えています。
こんな感じで25日間続きます
Gaji-Labo Advent Calendar 2014、こんな感じで25日間続きます。
ブログを通じて、私達がお気に入りの書籍に興味を持っていただけたらよいなと思っております。また、お気に入りの書籍を通じて、普段どんなことを考えているのかが少しでも伝わればうれしいです。