言語の壁に着目したインクルーシブなワークショップが気になる理由
この記事は Gaji-Labo Advent Calendar 2019 20日目の記事です。
先日、SDN日本チャプターでの公式イベントSDGC2019報告会にLT登壇した際に、インクルーシブなワークショップに参加した体験を共有させてもらいました。また、プライベートな形で主催したゆるシェア会でも、同ワークショップについて取り上げました。
今回は山岸がなぜ言語の壁に着目したインクルーシブなワークショップに関心を寄せ、動向を追いかけているのかについて書きたいと思います。
言語の壁に着目したインクルーシブなワークショップが気になる理由
主に言語の壁に着目して設計されたワークショップに参加した体験は、私にとってはとてもおもしろいものだったのですが、人によってはあまりピンと来ないのかもしれません。
そもそもこのワークショップの根っこには、多様な人種が暮らす社会が背景にあり、「どうすれば言語の壁がある人々をより包括的に含めたco-designのプロセスを実現し、多様な人々を念頭に置いて設計できるようになるだろうか?」という問いを元にデザインされています。
では立ち返って日本ではどうなのか? と考えたとき、「日本では日本語が話せれば大丈夫だから…」「日本語を話さない人と接する機会はあんまりないから…」と思う人もたくさんいるのではないでしょうか。そういう気持ちが、言語の壁にピンと来ない原因なのかもしれません。
しかし、実は日本も他人事ではなかったりします。「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」によると、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は40,485人(内26,092人が小学生)、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数は10,274人(内7,593人が小学生)なのだそうです。
こういった話題であれば、お子さんの学校などを通じて、身近な話題として経験している方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
また、山岸個人の体感としては、時々Gaji-Laboでのお仕事としてインターナショナルワークショップ案件のファシリテーションを担当することがあります。そういったときは、ワークショップ中に話される言語が数種類になることがあります。そのため、仕事を通じた身近な課題として受け止めています。
上記のデータや体感から、言語の壁を前提としたデザインプロセスを真剣に考える必要があると考えるようになりました。それが言語の壁に着目して設計されたワークショップに関心を寄せる理由です。
バリアになるのは言語だけではない
ひとくちに言語の壁と言っても、そこから派生する様々なバリアに通じていることを考えれば、翻訳機があれば用が済むという問題ではないことがわかります。
実際、海外でワークショップに参加すると大きなギャップに気付くことがありますし、ファシリテーションする立場のときにもアプローチの違いを感じます。
言葉を通訳したり意味を翻訳したりする以上に、言語や文化の壁を超えたデザインプロセスを一緒に作るための工夫が大切。自分の実践と外で学んできたことの両方を活かして、壁を超えるプロセスを探求していく機会をたくさん持てればと思います。
Gaji-Laboはワークショップデザインが得意です
「プロジェクトゴールへの目線合わせができていないので、ワークショップとファシリテーションを取り入れられないだろうか」
「ワークショップをやったらよさそうだと考えてはいるが、組み立て方がわからない」
「社内でワークショップデザインができるよう、まとまった研修を受けたい」
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