半構造化インタビューでユーザーを知るために活用したいインタビューシートの作り方
Gaji-Laboでお手伝いする新規事業案件やサービスデザイン案件では、インタビューを実施する機会があります。そうした場合には特に半構造化インタビューをおすすめすることが多いのですが、新規事業を成功させるためのインタビューとして行うなら、事前の準備がとても大切。
今回はGaji-Laboがインタビュー実践の際に活用しているシートを紹介したいと思います。実際に実践する中で必要なものをひたすら詰め込んできたシートです。
インタビューのためのシートを作って活用する
新規事業に取り組むチームには「チームにまだ専任のリサーチャーがいない」「役割に関わらず全員でユーザーの声を聞きたい」など、様々な事情があると思います。Gaji-Laboがお手伝いするチームでは、インタビューのスキルレベルがまちまちでも成果を上げられるよう、共通のシートを作って活用します。
シートの中身は、だいたい以下の項目で構成することが多いです。
- 質問ID
- 質問から得たい成果
- 質問する順番
- 優先度
- 時間配分(分単位)
- 質問の前提共有
- メインの質問
- 掘り下げのための質問リスト
これにプラスして、インタビュー後に抜き出しておきたい項目をメモする欄も用意しておきます。
- 出てきた「モノ」
- 出てきた「ヒト」
- 組織固有の名称
- 軸になりそうなペア
質問から得たい成果
質問項目だけでなく、その質問からどんな成果を得たいのかをシートに明記しておくことが意外と重要です。目的がわかりきっているとしても、必ず明記するようにしています。
- 調査対象アクティビティの周辺プロセスを知る
- すでに顕在化しているトラブルについて知る
- 関係者や利害関係など含め、実際に関わっている人がいるのかいなのか聞き出す
のような書き方をすることが多いです。
インタビューに慣れていない場合、質問を掘り下げようとするうちに脱線してしまい、本来の目的を忘れたまま時間を使い切ってしまうことがあったりします。限られた時間配分の中で本来知りたかったことを聞ききるために、なぜその質問をするのかを忘れないようにしたいですね。
掘り下げのための質問リスト
メインの質問をしたときに、どんな答えが返ってくるのか/返ってこないのかは相手次第の部分もあります。メインの質問をわかりやすく答えやすい質問に練り上げる必要もあるのですが、相手の答えから何を掘り下げるべきなのかの当たりを付けておくことも大切ではないかと思います。
慣れていない場合はとっさに何を言うべきか困って言葉に詰まってしまうこともあるかもしれません。また、得たい成果に直結しない質問を持ち出してしまうかもしれません。そうした可能性をなるべく排除するために、サブの質問リストを頭に入れておくと慌てずに済みます。
- 頻度はどのくらいですか?
- ひとりで担当しますか? 複数人で対応しますか?
- その場合の意思決定フローはどうなっていますか?
のように、派生する質問を書き出しておきます。
注意点としては、掘り下げる方向に対して先入観を持たないこと。シミュレーションしすぎると、知らず知らずのうちに自分がなぞりたい方向に誘導してしまうことがあるからです。
掘り下げのための質問リストは、あくまで掘り下げの選択肢として保険のために置いておくイメージ。それよりもおもしろい気付きが得られそうならば、想定したサブ質問は全部捨ててしまってOKなんじゃないかな〜くらいの気持ちです。
仮の内容を入れたサンプルシート
仮の内容を入れたサンプル research-interviews-questions-sample に置いてありますので、気になる方は中身もチェックしてみてください。サンプルの内容は「シートの使い方イメージが湧けばいいかな」という程度の簡単な質問サンプルです。
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