「共感」ではなく「理解」からはじめるデザインセッション
突然ですが、私は比較的「共感」というものが苦手です。人から「わかる〜!」って言ってもらうことが少ないし、自分から「わかる〜!」って感じるものは世間的にはニッチなものが多いみたいで、「わかり/わかられ」に対する感度に自信がないのです。
今回はそんな私がGaji-Laboで練り上げてきたデザインセッションの話をちょっとだけしたいと思います。
デザインシンキングをベースにしたセッション
Gaji-Laboの仕事では、デザインシンキングをベースにしたセッションを通じて、事業に必要な材料を見つけ出す作業のお手伝いをしています。前回のブログで書いたインタビューなども、そうした作業の一部です。
私たちがセッションと呼んでいるのは、ワークショップ形式の協働作業のことです。しっかりと事前計画は練りながらも、必要に応じて即興でやることを変えていくため、単発のワークショップとは別のものとして捉え、セッションと名付けています。
Gaji-Laboで提供するセッションは、デザイン思考のフレームをきれいになぞるものではありません。エッセンスを活用しながら、とにかく必要な材料を見つけることに集中する時間にすること、それを大事にしています。ちょっとくらい正しいプロセスから外れても、泥臭く材料を見つけるほうを優先しちゃうのです。
「共感」ではなく「理解」からはじめる
決まった型を置かず、今のチームに必要なことをチームメンバーと相談しながらアジェンダを組んでいくことが現在のGaji-Labo式セッションの特徴ですが、もうひとつの特徴は「共感」から物事をはじめないこと。
冒頭に述べたように、私は「共感」ってすごくややこしいものだと思っています。「わかる〜!」って何? といつも考えているし、共感したつもりになってしまってインサイトが全然得られないプロセスはナンセンスだ! と思っています。
もちろん、共感はとても人間らしく温かい行為だと信じています。でも、共感できないことで排除につながったり、新しいことが生まれなくなったり、ネガティブな影が落ちることも考慮に入れなければならないなぁとも感じます。デザイナーという職域で仕事をする人間として、自分が当てた光の裏にある影を意識することは大事だと考えているのです。
以下に私が昔書いたブログの引用です。
あなたの気持ちに共感はできていないかもしれない。しかし同感はできるし、できないとしても理解することができる。理解に至らなくても、想像することはできる。もし想像ができなくても、あなたの領域をできるだけ尊重したいと考える。自分の領域を尊ぶのと同じように、あなたにはあなたの領域がある。
理解すること。想像すること。そこに人間の希望があるのだと思うし、デザインのパワーが強まる領域なのではないかと思います。「理解」からはじめた先に「共感」が生まれたとしたら、きっとその先の事業をぐんぐん大きくしてくれるのではないでしょうか。
だから、Gaji-Labo式のセッションでは、常に「理解」からはじめることを大事にしています! みなさんがプロセスの中で大切にしていることはなんですか? デザインプロセスに関わるいろいろな方に、たくさん聞いてみたいと思う今日この頃です。
Gaji-Laboはデザインプロセスの導入をお手伝いします
「デザインプロセスを独学で取り入れてみたが、実際に実務に活かすことができるようになりたい」
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