デザイナーとしてユーザーやサービスを理解するマインドにつながる自分なりの実験
こんにちは、Gaji-Labo山岸です。前回「理解」からはじめるデザインセッションという話を書いたのですが、ひとくちに理解すると言っても「どうやって理解をしていったらいいんだろう?」「デザインするときの課題ってどこなんだろう?」と立ち止まってしまうことってないですか?
今回はデザインに取り組むマインドを日頃から身近なものにしておくために、自分なりに工夫していることの話をしたいと思います。簡単に言うと、自分が好きなことと職業人の目線をお手軽に交差させるために試している、自分なりの小さな実験みたいなものです。
コーヒーショップを巡る趣味から生まれた小さな実験
旅先でコーヒーショップを巡りながら散歩をするのが好きです。出張や旅行のときには必ず行きたいお店をチェックして足を伸ばします。
でも、旅先でコーヒーを楽しむときって、どうしても使い捨てカップを使用する頻度が上がるんですよね。グローバルな課題に目を向ければ、できれば使い捨てカップを使う機会は減らしたいところ。じゃあせめて日常生活で、使い捨てカップやペットボトルを使うのをやめる実験をしてみようかな? と思ったのです。
でも、根っからズボラなタイプなので、完璧には絶対にできないってわかっています。だからまずは「正しいことをしよう」と思うのではなく「実験をしてみよう!」の気持ちではじめました。「ズボラで極度に面倒くさがりなユーザーがマイボトルを持ったらどんなしんどさが生じるのか?」を探す実験です。
「ズボラで極度に面倒臭がりなユーザーがマイボトルを持ったら」の実験
具体的には、日常的にマイボトルを持ち歩くだけのお手軽な実験。去年の夏くらいからはじめて、いろいろ細かいことがわかってきました。
- 洗うのが嫌になるほど面倒くさい(わかりきってたけど本当に面倒くさい)
- 重い(ボトル本体と液体を持ち歩くのは大変)
- 水を補充できる場所は少ない(買うと結局ペットボトルを消費してしまう)
- ボトル1本では足りない(量の問題もあるけど、水とコーヒー両方がほしい)
- パッキンがないボトルに買い替えたい(パッキンに匂いが付いてしまう)
これってデザインやビジネスで言うところのペインポイントで、つまりこういう嫌な状態や嫌な経験があるからユーザーがこうした体験を遠ざけてしまうんだなっていうことを身をもって実感しました。
ある程度わかってきたら、どうしたら解決できるか? という視点に切り替えた実験になります。続けるために自力で工夫してみたら、自然と以下の形で解決されたものがありました。
- 外出先で洗えばいいじゃんと割り切った(意外と洗わせてもらえる場所はある)
- 地下鉄や公共機関での水汲み場マップをチェックするようになった(あんまり数はないけど、知っていると便利)
- ボトルを2本持つようになった(水用とコーヒー用)
- パッキンを使用しないボトルを使うようになった(最強のボトルを見つけた)
自力でがんばっても解決していないものもあります。
- やっぱり重いし場所を取る(2本持つようになったから重量も2倍)
- パッキンを使用したボトルも使い続けている(まだ捨てるには気が引ける新品だから…)
上記については、不便を我慢しながらも続けている感じです。こういう不便を実体験として持つことで、なぜ社会的によいとされていることに個人が取り組みづらいのか、どういう角度の課題や問題が埋まっているのか、などなどが理解できた気がします。
また、実験する間にマイボトルが習慣としてなじみはじめました。そんなに意識高くがんばらなくても、環境によい行動がひとつできるようになった! お得な副産物ですね!(とはいえ、完璧な実行を目指しているわけではないので、たまにはペットボトルを買うし使い捨てカップも使います)
自分が好きなことと職業人の目線の交差
自分自身から半歩ずらした目線で、自分のしていることを眺めること。これってユーザーやサービスを理解するためのマインドやスキルを訓練できる、何よりお手軽な機会だと思うんですよ。半歩ずらす方向は、もちろん職業人としての自分側です。
私の場合は、絶対に美味しいコーヒーを飲みたいという自分の気持ちがあって、社会の課題を捉えたいという職業人としての思いがある。それをいい感じに交差させたり混ぜ混ぜしたりして身近な話題に引き寄せています。
仕事は仕事、プライベートはプライベートとわけるのもひとつの価値観ですが、わけないという選択肢だってある。私は一石二鳥な行動とか情報量の多い体験が好きなので、自分が好きなことと職業人の目線を交差させるような実験を楽しむことで生きています。つまり動機は若干不純です(笑)。
デザイナーって、毎日が夏休みの自由研究みたいだなって思うことがあります。どうせなら一生楽しい夏休みを過ごしちゃうぞ! という気持ちで、また次の実験を見つけたいと思います。
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