「イシューからはじめよ」をはじめたい


他の記事などでも何度か取り上げた「イシューからはじめよ」にはイシュー度を上げてから解の質をあげるという事が書かれています。

そのイシュー度の上げ方がなかなかうまく身に付かず苦戦しているのですが、最近色んな瞬間に「これはイシュー度の向上に繋がるな」と思う瞬間が増えてきました。(こじつけたいだけとも言う)

犬の道

イシューからはじめよには下記のようなマトリクスで取ってはいけないアプローチが明示されています。

引用:安宅和人 (著) 『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 kindle 版』序章より

イシュー度とは「課題」や「問い」「今本当に取り組むべきべき事」のクリティカル具合と読み変えて良いです。(詳しくは本書参照)
解の質とは実際の実行量やいわゆる作業進捗と捉えてください。

本書では解くべき課題を見極めずにただひたすら実行を重ね、本来辿り着くべき結果を目指すアプローチに「犬の道」と名付け強く否定しています。

考えずに物事を動かしているときの罪悪感

前述のマトリクスを見てから、無思考で淡々と作業をしているときに「本当にこれでいいのだろうか」と思えるようになりました。
この変化だけでも読んだ価値があったなと思います。

ただ、本書ではイシュー度を高めるための手法として調査・分析や研究的アプローチを強く推しています。
日々の業務ではそれらの手法が使えないシーンの方が多く(すでに良くないアプローチに入っている証拠でもありますね)どうすべきか分からない状態が続いています。

調査分析以外にも解の質をあげずにイシュー度をあげられるのでは

ここで冒頭の「これはイシュー度の向上に繋がるな」と思ったところに繋がるのですが、すでに動き出してしまっている事象でもイシュー度を上げられる話が日常に沢山あるよねという話をかるくまとめて見たいと思います。(自明なことも含まれますがご笑覧ください)

プロトタイピングでイシュー度をあげる

最近仲間内でもよく話すのですが、「プロトタイピングと言っても千差万別すぎて何を指しているかすり合わせるのが大変」という話題が出ます。
機能開発の進捗を進めるためのプロトタイピング(そのままブラッシュアップしてプロダクトに反映される)もあれば仮説検証のためだけに作成して役割が終わったら破棄するプロトタイピング(いわゆるラピッドプロトタイピングなど)まで様々です。

後者のラピッドプロトタイピングなどはまさにイシュー度をあげるためのプロトタイピングですが、プロダクトに反映する前提のプロトタイピングでも「何を仮説検証したいのか」をしっかりと定義しそれがアプローチに反映されるのであればイシュー度の向上につながるでしょう。

マーケティング施策でイシュー度をあげる

僕はいままでマーケティングに全く関わったことがなくまるで分かっていなかったのですが、マーケティング施策でもイシュー度をあげることができそうです。

マーケティングというとリード獲得などのようにとにかく実行を積み重ね解の質を上げるフェーズで使われるイメージですが、利用シーンを想像しやすいプロモーションサイトやティザーサイトなどでユーザー(やエンドクライアント)の反応をはかり、アプローチに反映することもイシュー度の向上につながりますね。

最近こっそりLPを作ってみたりしていますが、自社の見えてなかったイシューの輪郭が見えてきた感があってとても興味深いです。いままでマーケティングに無縁であったことを少し悔いています。

対話でイシュー度をあげる

1on1 を初めてからとても感じているのですが、日々普通に過ごしているだけではステークホルダーとの対話は全然足りていなかったということに気づきます。
たしかに日々接点を持てば相手の考えていることの想像は出来ます。しかし、ほんのちょっとのニュアンスの違いなどは全く拾えず、場合によってはその差から優先度の取り違えや重要なイシューの見落としなどあるはずです。

ステークホルダーが社内のみであればまだ良いのですが、当然そうではありません。
例えば「顧客ヒアリング」と称して聞き取りをしていたとしても対話と言えるほどの深堀りができているかと言えば疑問符がつく場合も多いのではないでしょうか。

薄く広く対話をするのではなく、多少範囲が狭まってしまったとしても(それが自覚的であることが重要です)特定のステークホルダーとの関係性を強化しイシュー度の向上につながる対話を繰り返していく必要があります。

まだまだありそう

イシュー度をあげるために日々のなかで気づいたことをちょっとしたメモとしてまとめましたが、アカデミックな手法からベテランが勘で実践している手法まで世の中にはまだまだ沢山のイシュー度向上のアプローチがあるはずです。

今回の話題はつい最近気にしだしたばかりで本当の駆け出しです。
良いイシューを早く見つけられるようなアプローチを体系的に構築していくために、この記事はスタート地点の記録としたいです。
「イシューからはじめよ」を読んだ方やこのあたりの事を日々実践されている方、ぜひお話させてください。

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投稿者 Harada Naotaka

受託と事業会社の両方を経験し、沢山の事業を見てみたい気持ちで Gaji-Labo を共同創業。普段は雑用やったりプロジェクトマネジメントやったり、たまにフロントエンドのコードを書いたり。直近は Gaji-Labo をデザイン会社に転換していく課題に挑戦中。期待値コントロールにステ全振り。