ワークショッププログラムデザインの肝は、お互いの力を引き出し合う関係構築プロセスにある
前回の記事では、対面でもオンラインでも重要なワークショップの要素をおさらいするということで、ワークショップの要素を見直してみました。今回はその中から、プログラムデザインを行うときにGaji-Laboとして大事にしていることをお話したいと思います。
ワークショッププログラムデザインの肝
ワークショップを行う目的は様々ですが、ビジネスシーンではあいまいな目的でワークショップを企画することは多くありません。つまり、ワークショップの中で生まれるアウトプットを目的達成のための成果物として捉えることが多くなります。
しかし、アウトプットを出すためのアクティビティだけを考えていれば「よいプログラム」になるのでしょうか。私はそうではないと考えています。
Gaji-Laboとして、そしてワークショップデザイナーとしての私自身が考えるワークショッププログラムデザインの肝は、多元的な環境の中、対等な立場でお互いの力を引き出し合う関係構築プロセスを設計することです。
どんな種類のワークショップにも同じことが言えますが、それがビジネス向けであれば、なおさら重要です。
多元的な環境は身近なところにある
多元的、というと自分には関係のない話に聞こえてしまいがちですが、身近なところに目を向けても多元的な状況はたくさんあります。プロジェクトの中での役割の違い、抱える課題感の違い、メンバーそれぞれが異なる立場にいることによって細分化・複雑化するコンテキストを思い浮かべれば、心当たりがたくさんあるのではないでしょうか。
ましてや、今の先の見えない社会状況の中では、会社の内部や業務の役割を超えて乗り越えなくてはならないことが増えています。リモートワーク環境としての自宅の使いかたや家族構成の違いなど含め、今まで以上に直面する課題が可視化されています。
同じ目的を目指していてもコンフリクトは起こる
プロジェクトに関わるメンバーがお互いのコンテキストを共有していないと、同じ大きな目的に向かっている事実があるにも関わらず、目の前の小さなゴールがコンフリクトすることがあります。そうした場合、お互いに相手が排他的であると感じてしまうことがあるかもしれません。お互い意図的に排除し合う意図がないにも関わらず、です。
多角的な視点でプロジェクトを進めるにあたっては、誰かひとりだけが正解を持っているわけではないことが多いと思います。たくさんの選択肢の中から自分たちが求めるものを固めるためには、チームの中での納得解と合意形成が重要になります。何が基準になるか、物差しはチームによって様々。最速/最善/最安/最高など、たくさんの切り口があると思います。
成果物として必要最低限の材料が出ればそれでいい、という考え方もあります。とはいえ、プロジェクト内で優先する物差しがチームとしての納得解として共有できれば、よりよい成果物が生まれます。そのためにも、メンバー間の合意形成を得るプロセスを軽視してはいけないのです。
アウトプットも関係構築プロセスも両方を大事にしてデザインする
ワークショップデザイナーとしての私自身は、自分たちが出した答え=納得解を大事にすること自体が、どんなチームビルディングよりも強くメンバー間のマインドを育てることに繋がると考えています。責任を持って長期的に関わりたい気持ちが自然に生まれれば、それはチームにとって何よりの財産です。
そうした思いを踏まえ、Gaji-Laboではアウトプットにつながるアクティビティと関係構築プロセスにつながるアクティビティの両方をきちんと盛り込みながら、関わるワークショップのプログラムをデザインすることに努めています。
次回の記事では、アウトプットにつながるアクティビティと関係構築プロセスにつながるアクティビティの双方を実現するプロセスを設計するために、具体的にどんなふうに設計を進めているのかをお話したいと思います。
Gaji-Laboはワークショップデザインが得意です
「プロジェクトゴールへの目線合わせができていないので、ワークショップとファシリテーションを取り入れられないだろうか」
「ワークショップをやったらよさそうだと考えてはいるが、組み立て方がわからない」
「社内でワークショップデザインができるよう、まとまった研修を受けたい」
などなど、ワークショップデザインやファシリテーションに関わるご要望やお悩みごとをお持ちでしたら、まずは一度お気軽に Gaji-Labo にご相談ください。
オンラインでのヒアリングとフルリモートでのプロセス支援にも対応しています。
ワークショップデザインの相談をする!