日報は単なるルーティンではなく、要素分解して問題解決スキルを身に付けるための近道
社内の若手や支援しているチームのメンバーには、簡単な日報を書いてもらうことが多いです。日報と言うと、進捗管理や稼働管理のための報告書というイメージが強いように思いますが、私はそうは考えていません。
なぜなら、毎日日報を書くということは、要素分解をするスキルを身に付けるための近道だからです。事実、考察、想像、予測、などなどを適切に切り分けるスキルを育てるために有効な手段が日報なのです。
大きい問題はくだくことができる
新規事業や組織改善に取り組もうとすると、とてつもない大きい問題が目の前に横たわっているように感じるときがあります。そんなときの「どうしたらいいかわからない感」は、誰にでも経験があるのではないでしょうか。
でも実は、大きい問題に見えるものの多くは、そこそこの大きさの問題がごちゃごちゃと詰まっているだけ。まずは問題をくだいて小さくすることで、一気にわかりやすくなる可能性が高いです。
くだいた問題は、さらにくだいてもっと小さくすることができるようになるかもしれません。どこまでくだくかは状況次第ですが、自分あるいはチームが扱えると感じるところまでくだくと楽になるなぁと感じます。
小さくくくだいた問題は分類ができる
大きい問題をくだいていくと、いくつかに分類できることがわかってきます。それを分類してみると、またひとつ見えかたが変わってくるから不思議です。
分類した問題には名前が付けられます。大カテゴリとしての名前やさらに小カテゴリとしての名前も付けられるかもしれません。ここは何度やってみても正解がわからないところで、名前って奥が深いなぁと個人的に感じているポイントです。
正解がわからないなりにも名前が付くと、解決策が考えやすくなります。次のステップが決めやすくなるので、滞っていた物事が一気に流れていく予感が持てるところです。このときに感じる「いける感」が私は大好きです。
「問題」が「課題」に生まれ変わると前に進む
問題に名前が付いてから解決策に至るまでのあいだに、「問題」は「課題」と言い換えられたりするようになります。似たようなものでも、両者はずいぶん違うものですよね。
以前に課題の一生を考える記事を書きました。課題のすべてが問題から生まれるとは考えていないのですが、問題から生まれてくる課題はこんなふうに生まれてくることが多いのかもしれないですね。
生まれてきた課題の中からソリッドな課題をピックアップして、取り組むべき対象として集中することが大事。その過程で必要な要素分解のスキルは、意識的に育てていきたいところ。
「でもどうやって育てれば?」と思った人は、まず日報をコツコツ意識的に書くところからはじめてみてはいかがでしょうか? 馬鹿にできない効果があるはずです。
日報は単なるルーティンではない
最初の話に戻りますが、要素分解のスキルを身に付けるために有効なエクササイズとして、日報があると私は思っています。
- 状況を正確に把握する
- 把握したことを言語化する
- 文脈に応じた粒度にまとめる
起こったことを振り返って上記の3点を押さえることができれば、あとはどんなことにでも応用できるからです。
書く側がスキルを育てることができる一方で、チームの中でそのスキルを持つメンバーをすぐに見極めることができるという意味でも役に立ちます。意外なメンバーが要素分解スキルを持っていて、その人を中心に置いてグループワークをしたら一気にいろいろなことが可視化された… ということもあったりします。
私が業務としてチーム支援をする際には、負担にならない程度のサイズ感を意識して日報を書いてもらうことが多いのですが、どんなふうに書いてもらっているかはまた別の記事で紹介したいと思います。
余談にはなりますが、棚卸しの意味でもベテランにこそ日報を書いてみてほしいです。そんなものは簡単に書けたはずだと思っていても、意外となまっていたりするんですよね。試しに書いてみると、いいエクササイズになるのでおすすめです!
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