ワークショップを実施する前に「目的を確認すること」がなぜ重要なのか
こんにちは、Gaji-Labo山岸です。Gaji-Laboのワークショップデザインについて、シリーズ記事の形ですこしずつ書き進めています。
同シリーズの過去記事で、ワークショッププログラムを設計する際にGaji-Laboが必ず踏むステップをさらっとまとめました。以下がそのリストなのですが、
- ワークショップを実施する目的を確認する
- 目的に沿って各アクティビティのコンセプトを整理する
- 時間軸でアクティビティのアイデアをマッピングする
- アクティビティが成立するためのタスクリストを作成する
- プログラム全体のタイムラインとマテリアルを整理する
- ワーク中のエモーショングラフを想定しながらレビューする
- 当日の運営チーム用にプログラムを進行表に落とし込む
今回はこの中でも「ワークショップを実施する目的を確認する」ステップについて、もうすこし詳しく書いてみたいと思います。
ワークショップの目的には2つの考えかたがある
ざっくり目的という言葉を使っていますが、もうすこし砕いてみるとWhatとHowの両方があります。つまり最初に確認すべきはWhatとHowです。
- Whatとしての目的:ワークのゴールとしてどんなアウトカムを必要としているのか
- Howとしての目的:なぜワークショップという手法を選択するのか
どちらが先に考慮されるべきかというのはプロジェクト次第なので、そこにこだわる必要はないと思います。得るべきアウトカムが明確であること、手法選択として納得度があることの両方がセットになっていることが重要なのだと感じています。
ワークのゴールとしてどんなアウトカムを必要としているのか
Gaji-Laboがデザインするワークショップでは、ワークの中の各アクティビティごとにコンセプトを定め、小さなゴールを設定します。小さなゴールごとのアウトカムを積み重ねると最終ゴールが達成できるように作っていきます。
しかし、最初にワークショップの最終ゴールがきれいに定められていない場合、アウトカムの逆算ができません。アクティビティ設計は最終ゴールから逆算して考えていくため、ふわっとしたアウトカムイメージに対してはふわっとしたアクティビティしか設計できず、ソリッドなアウトプットにつながりづらいのです。
特に事業づくりやデザインリサーチのために行うワークショップでは、アウトカムが明確であることが重要です。Gaji-Laboが担当しているワークショップデザインの多くは事業を成長させるためのプランなので、最初にお客様としっかりコミュニケーションしてWhatとしての目的を固めていきます。
なぜワークショップという手法を選択するのか
とても基本的なことなのですが、手法についての納得度はアウトカムの最大化にとっては大事な要素になります。そこに納得度のない参加者、もしくは理解のない参加者がいる場合、アクティビティに集中できずにワークが停滞してしまうことがあるからです。
「これってなんのためにやるんですか?」
ワークショップがうまくいかないとお悩みの方の中には、参加者からのこんな言葉を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。
「これってなんのためにやるんですか?」
「これってワークショップじゃなくてもよくないですか?」
「そもそもなんでみんなで考えないといけないんですか?」
などなど……
こういった疑問・質問は、なぜ今ワークショップ形式でのコミュニケーションやアイディエーションが必要なのかの背景がじゅうぶんに理解されない場合に起こることが多そうです。または理解はしていても納得度が低い場合なのではないかと思います。
背景理解と手法への納得度は、WhatとHowの目的をていねいに共有することで形成されやすくなります。なぜ今自分たちにワークショップという形でアクティビティを実施することが重要であるのか、事前に共有したりインプットしたりしたうえで、ワーク中も目的を見失わない形で進められるのが理想です。
ワークショップでなくてよい場合だってある
手法選択の観点から言えば、ワークショップでなくてよい場合も実はたくさんあります。事前のヒアリングでそう感じる場合には「ワークショップでなくてもよくないですか?」という提案をすることがあります。あるいは、参加者としての対象をシビアに決める必要がありますね、という話になることもあります。
多くは一方通行のコミュニケーションを目的としている場合や、主催者が参加者の相互作用を求めていない場合がそれに当たるのですが、そこはケースバイケースなので都度判断させていただいているという感じです。
かけるコストやリソースを最大限活かしきるために
ワークショップを実施する前に「目的を確認すること」は、ワークショップ実施のために割くコストやリソースを最大限活かしきるために絶対に必要なステップです。
スケジュールを合わせて人数を集めてひとつの目的に向かうというのは、非常に多くのコストがかかる作業ですよね。せっかくコストをかけて作った機会を最大限活かしたいと思うのは当然のことです。しかし、目的がぶれていたりあやふやだったりすると、その時間がまるっと無駄になるリスクが発生します。
得るべきアウトカムが明確であること、手法選択として納得度があること。この両方がセットにして目印にすることで、参加者の足並みがしっかり揃います。Gaji-Laboが提供するワークショップデザインでは、参加者の足並みを揃えるために必要な目的確認のステップがこぼれ落ちることがないようがっちり設計をします。
今回は「ワークショップを実施する目的を確認する」ステップについて詳しく書いてみましたが、次は「目的に沿って各アクティビティのコンセプトを整理する」ステップについて書いてみたいと思います。
Gaji-Laboはワークショップデザインが得意です
「プロジェクトゴールへの目線合わせができていないので、ワークショップとファシリテーションを取り入れられないだろうか」
「ワークショップをやったらよさそうだと考えてはいるが、組み立て方がわからない」
「社内でワークショップデザインができるよう、まとまった研修を受けたい」
などなど、ワークショップデザインやファシリテーションに関わるご要望やお悩みごとをお持ちでしたら、まずは一度お気軽に Gaji-Labo にご相談ください。
オンラインでのヒアリングとフルリモートでのプロセス支援にも対応しています。
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