ワークショップの目的を大事にしながら、目的から連想する枠に囚われすぎないようにしよう
前回はワークショップを実施する前に「目的を確認すること」がなぜ重要なのかについて書きました。
矛盾するようなのですが、「目的目的と言い過ぎて思考が凝り固まってしまうと、そこにはやっぱり弊害もあるよ」という話をしておきたいので、今回はそんなことまわりをふんわりと書いてみたいと思います。
ワークショップの目的はコンテキストでもある
Gaji-Laboのブログで書いているときには、事業づくりやデザインリサーチの中でより効果的に協働的な活動を行うためにどうしたらいいか、という視点で書いています。つまり限定されたコンテキストに向けた話だったりします。
違う言いかたをすると、前回の記事で書いた「目的」やアクティビティごとのアウトカム部分が、「ビジネスに活用する」ことや「デザインリサーチの結果からインサイトを抽出する」ことに寄っている前提で要素をまとめている… ということなんですよね。ビジネスの成果につなげることが目的だと言うこともできます。
目的の設定と手段の計画は切り離してよい
しかし、ビジネスの成果につなげる視点だけに凝り固まりすぎると、たとえ目的をしっかりと置いていても、活動全体によくない影響を与えます。
- ビジネス目的なのだから、まじめにやらなくてはいけない
- 遊んでいると思われると困るので、堅い感じで進めたい
- 成果のための直線距離を通りたいので余計なことは入れたくない
ついついこんなふうに考えてしまうようになるのではないでしょうか。あるいは、わかっていても空気を変えることは面倒だから、空気を読んでおとなしくしておこうと考える場合もあるかもしれません。
まじめにやる=机に座ってふせんに何か書くことだけをやる、余計なことは入れたくない=予測可能でコントロール可能なことだけをコンパクトにやる、という流れをよく見るように思っています。その結果発散があまりうまくいかず、
「ワークショップって意味がないよね」
= 机とふせんに向かっているだけに思える時間には意味を見い出しにくい
という構図につながるのではないでしょうか。
「ビジネスだから…」というバイアスは自分で思っているよりも根強く、知らず知らずのうちに表に出てきます。凝り固まった思考は、ワークショップで発揮できるはずの創造性を減らしてしまう原因になることがあり、非常にもったいないのです。
目的(What)に到達するための手段は、いくつもあります。ワークショップという手段(How)を取るからには、アクティビティでめいっぱい遊んでみるのがおすすめです。
目的は大事、でも目的から連想する枠に囚われすぎないことも大事
目的を確認することが重要なのは変わりありませんが、目的を達成するための手段は思いっきり自由になほうがいい。身体を動かしたり、すこし馬鹿げたことを取り入れてみたり。
一般的に遊び心と呼ばれるような枠の中に収まるのではなく、遊び心を超えて真剣に遊んでみたほうがいいタイミング、そういう機会としてワークショップという手段を設計できれば理想だな〜と、個人的には思っています。
じゃあそんな設計をするためにどうやってアクティビティを考えているの? という話、「目的に沿って各アクティビティのコンセプトを整理する」ステップについて、次回こそ書きたいと思います。ストップ書く書く詐欺!
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