気になるUI: iOS 14 の新しい時刻の入力UI
こんにちは、Gaji-Labo UIデザイナーの今西です。
自分のiPhoneを iOS 14にアップデートしました。ホーム画面を設定を変えたり、細かいところがカスタムできたりするのがおもしろいと思っています。
ヘルスケアアプリで睡眠が管理できるようになったため、アラームも調整していると時刻を入力するUIが変わっていることに気がつきました。
時刻の入力UI
時刻を入力する UI は iOS 14から、テンキー入力になりました。
前のバージョンの OS では、時間と分を選択するドラムロール型でした。 ドラムロールは iOS 14 で完全に消えたわけではなく、時刻のボックスエリア内で時間と分のドラムロールを回して選択することもできます。
私はこの UI を見てなんとなく違和感がありました。
時刻を数字入力するという感覚が、時間の設定をする動きと遠い気がしました。
私は以前のブログの記事の通り、誕生日を入力する際の日付入力については数字入力を推しています。選択ドラムロールを回すことの面倒さは選択肢が多いほど強まると思います。
それはそれとして、時刻についてはドラムロールで選択する UI にこれまでそれほどの不便は感じていませんでした。逆に時刻については時刻を数字入力することに違和感があります。
現実の世界で時刻を設定する動き
時刻を設定するときの動きを考えてみると、数値を入力するパターンの方が少ないのでは、と思います。
デジタル時計や家電にはデジタル時計がついています。それらの時刻の設定は、数字のテンキーで操作できるものは少なく、【▲ / ▼】や【+ / −】のボタンで操作することが多い。
非デジタルで時刻を設定することは、時刻を加減するボタンの単純操作で行うもので数字の入力でないことのほうが多い。しかも、加速のつけられる iOS の選択ドラムロールを回すよりも、現実世界の加減ボタンをひとつひとつ押していく動作のほうが手間ががかります。
実際に時刻を設定する動作として行ってきた経験が多いの、時刻を加減するボタン動作であったため、選択ドラムロールの方が違和感が少なかったのかもしれません。
またガラケーは時刻はテンキーで入力していたと思います。スマートフォンになって時刻入力を選択型で行うことに慣れたのは、非デジタルの経験からくる慣れもあったのではないでしょうか。
(Android の時刻入力については詳しくありませんが、Android の時刻設定がアナログ時計でできるらしいですね。現実の動きと比べるとアナログで時刻設定できるのは、アリだとおもいます。)
まとめ
UI はデジタルのなかで非デジタルの世界のものをうまく模倣して、操作をしやすいかたち(インターフェイス)をつくります。
時刻に関しては、数字入力で行う感覚が薄かったため、違和感があったのかなと考えています。
時刻に関してはテンキー入力+小さいドラムロールな UI があまり歓迎されていない印象もあるので、もしかしたら、もう少し手が入ることもあるかなと思っています。
Apple も時刻のボックスエリア内で時間の選択ドラムロールができるあたり、今回大きく入力方法変えることへの配慮をしたのではないかと思います。なんとなく、まだ移行中感も感じます。
iOS 14で日付入力がカレンダーから入力になったのが、とてもいいと思います。「連絡先」アプリの誕生日や日付入力は、選択ドラムロールのままだったりするので、用途に依って入力方法を選べるようにしているのかな、と思ったり。
UI はヒトが操作するものが前提なので、非デジタルの現実の動きも踏まえつつ使いやすいものになっていくのがいいと思います。なので、あまり新しすぎる操作や動作が増えることはあまりないと私は考えています。
OSの入力 UI はデザインをつくる上で押さえるべき基本的なものなので、これからも注視・観察していきます。
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