「みんなでやる」のよくある誤解を超えて「ひとりひとりがやる」を当たり前にしたい
こんにちは、Gaji-Labo 山岸です。
昨今、チーム開発やチームでのコラボレーションというトピックが重要なものになっているのを感じますね。
作るものや世の送り出すべきものが複雑になり、よいものを作るために様々なスキルセットが必要になったこと、スピードが求められる状況でたくさんのリソースが求められることなどが関係しているのかなと思ったりします。
また、誰かひとりだけの才能や馬力にまかせるのではなく、みんなで取り組んで質を上げていくことは、作る視点だけでなく雇用やビジネスの観点からも非常に重要なことになっています。
しかし、「みんなでやる」というフレーズには誤解やネガティブなイメージもついて回ります。みんなでやることにまつわる悩みも、きっと皆さんそれぞれにお持ちですよね。悩みの形はひとつではないし、それぞれに必要な解決方法も違うとは思いつつ、初歩的な誤解が解ければ前に進むこともたくさんある気がします。
今回の記事では「みんなでやる」ことに対するよくある誤解について考えてみます。
「みんなでやる」には誤解がある
「みんなでやる」のネガティブなイメージには、誰もやらないままになる、人任せになる、責任の所在が不明になる… などが挙げられるのではないでしょうか。アンケートを取ったわけではないので私の体感値でしかないのですが、そのような声を聞く機会は定期的にあります。
誰もやらないままになる、人任せになる、責任の所在が不明になるなどのネガティブなできごとが重なった末に、なんだかんだで品質が上がらない… という結果になるのはつらいですよね。
でもそれはあくまでも負の側面だけを見たときの話。三人寄れば文殊の知恵という言葉もあるくらいですから、手数が増える以上のメリットもそこにはあるはずなのです。負の側面ばかりに目が行く場合、それは単にそのチームがうまくいっていないというだけで、「みんなでやる」ことそのものが悪いわけではありません。
足並みを揃えなくてはいけない。全員が同じように動かなくていはいけない。「みんなで」を考えたときに、そんなふうに縛りを作ってしまいがちです。しかし、それ自体が誤解なのだと思います。「みんなでやる」ということは結局「自分がやる」ということなのです。
「みんなでやる」というと自分から主語が外れたかのように感じますが、みんなの中には自分やあなたがいて、「みんな」という生きものが急に生まれるわけではない。「みんな」という生きものがいるように感じるのも誤認なので、誤解のひとつかもしれません。
「みんなでやる」のはネガティブな影響しか生まないという誤解、「みんな」という生きものがいるような気がしてしまう誤認。その2つをよくある大きな誤解だと思いますし、私が常々解消したいなぁと思っていることです。
「ひとりひとりがやる」をしないと「みんなでやる」にたどり着かない
「自分がやる」つまり「ひとりひとりがやる」ことが「みんなでやる」ための条件なのではないかなぁと、私は思っています。違う言い方をすると、「誰」がやるのかは重要ではなく、ひとりひとりが「なんのために/何をやるのか」が重要で、チーム全員がそれさえ理解していれば「みんなでやる」がうまくいきます。
以前、どんな要素がチームの中で影響を与え合っているのかについてのブログを書いたことがあるのですが、そのときのチームを例に取ってみると、少しわかりやすいかと思います。
取り組むべき「何か」を理解して、自分がそこに向かうことが重要。わかっている人や進んでいる人に引っ張り上げてもらおうと考える人がいるとチームの足回りが重たくなるし、動かなくていいやと思う人がいると速度が著しく落ちます。(動かなくていいや、というのはもはや職業意識とか倫理観の問題なので、スキルとかではないですよね…)
「自分がやる」ことを当たり前に捉え、自分の足で一緒に走ることが「みんなでやる」にとって最も大事なアプローチなのでしょうね。
「みんなでやる」への誤解を超えて
「みんなでやる」への誤解は、取り組みの中で解いていくしかありません。誰かを引っ張り上げるのが目的でもなく、動かない人をカバーするのが目的でもなく、あくまでチームが達成すべき「何か」のために前に進むことが目的です。「誰か」由来の悩みではなく「何か」由来の悩みを解決することを優先したいですね。
とはいえ、「何か」に取り組むのは「人」なので、それを軽視していいということにはなりません。いい感じにチームの健康度を保っておくことで、無用な軋轢を生まないことも大事ですね。誰かのお気持ちに引っ張られるチームも健康とは言えないので、気持ちを大事にすればいいって話でもありません。チームって難しいですね。
それでも、ひとりだけで何かを成していくことはもっと難しい。どうせ仕事をしなくちゃいけなら、いい仕事をしたい。いい仕事をするなら、いいチームを作りたい。悲観論やシニカルな目線に捉われすぎることなく、気持ちよく前を向いていきたいと思います。
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