普遍化したデジタルインターフェイスは物語る道具にもなる
こんにちは、Gaji-Labo UIデザイナーの今西です。
デジタルのインターフェイスも普遍化してきたように思います。
例えばメールの場合、どのようなインターフェイスで表現されるものか、どう使うものかの認識を共通して持っています。
デジタルで使うアプリケーションやツール、SNSやサービスのインターフェイスのパターンは今や普遍化して一種のクリシェになっていると言えると思います。
歴史の出来事をデジタルで語る
CBBC(BBCの子ども向けプログラム)に Horrible Histories というTV番組があります。歴史を残酷だったりグロテスクだったりする事実をユーモアを交えて子ども向けに解説した本がもとになっており、TV番組の方は笑いの要素がより強くパロディや歌などのコントで歴史を知れる内容になっています。
この Horrible Histories の中でデジタルの道具をつかったストーリーテリングがおもしろかったので、ご紹介します。
イングランド王ジョンの戴冠からマグナカルタを承認するまでをデスクトップ上で再現するコントになっています。
ジョン王の兄リチャードの死の知らせ、戴冠、教皇との争いや増税からマグナカルタの承認をデジタルツールの操作で表現しています。
戴冠はSNSのタイトル変更、増税はアプリのスライダーで調整しています。
マグナカルタの承認においては、ジョン王の内容をちゃんと読まずに承認してしまう姿にデジタルでの規約の承認シーン(特にユーザー登録など)のあるあるを思い出す感じになっています。
(OSが Windows XP っぽくUIが古い感じなのは制作時期が2009年ごろのなのもあるかもしれません。あえて古く、洗練させていない感じもあります。)
コントは数分ですが、実際の出来事は十数年に起こったことがまとめられています。行政手続きだけでなく、コミュニケーションや移動はこの時代では特に時間がかかることでした。
出来事の内容(端折っている部分はあります)と流れがデジタルツールを使った行動に見立てられていることで、歴史の中で起こったことが現代の共感のしやすいかたちになっています。
この他、エリザベスI世のお見合いがマッチングサイトで表現されたり、ジェーン・グレイがネット詐欺に引っかかって数日だけの女王になったり、ガイ・フォークスの火薬陰謀事件がSNSのコメントからバレてしまったりなど、現代的なデジタル空間のインターフェイスと操作で歴史の出来事をコントにしています。
何をしたか、何がおこったかをデジタルツールを使ってストーリーテリングできる、ということはそのツールのインターフェイスや使い方が普遍化しているということではないかと思います。道具としての表現がわかっているものという前提でツールを使った「見立て」でストーリーが作られている。
デジタルツールは何をするためにどう動かせるものか、というインターフェイスはクリシェのようなものになりつつあると思います。
UIデザイナーは、そのクリシェや認識を前提として利用してデザインを作っているところがあります。時にはそのクリシェに沿うのが最適のインターフェイスなのかを問いかけながら、それを利用して活用してユーザーがより使いやすいものを作っていく。
デジタルツールやアプリをデザインしていくために、どのようなイメージ・インターフェイスがツールやアプリを使うイメージとして普遍化しているのか、トレンドや変化を見て世の中の認識を追っていきたいものです。
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