デザインを「やさしく」したいからもう一度考えたい
最近、改めてデザインが使いやすいや良いデザインとはなんだろうと考えることが多いです。
業務の中や試したり考えを深めたりしている状況で、まだまだ答えは出ていません。
業務では情報の整理と理解から体験の組み立てを丁寧にしてデザインを深めることも、ひとつの方法と思います。あわせて、デザインの「インクルーシブ」や「エンパシー」について学びなおす必要もあるような気がしています。
もやもや考えているのでもやもやした文章になりそうですが、考えていることを書いてみます。
読み直したい本『ミスマッチ』
私の手元にある本からはありますが、再度また読んで考えたいなという本を挙げます。
『ミスマッチ 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』
「ミスマッチ」→「排除」を「インクルーシブ」にしていくための手法が説明されています。「排除」のサイクルに沿って手法の説明が展開するので、課題にするポイントを踏まえやすい。
『悲劇的なデザイン ―あなたのデザインが誰かを傷つけたかもしれないと考えたことはありますか?』
ユーザーに損害を与えることになるデザインを実際の例としてケーススタディを挙げながら紹介し、反面教師的な学びを示してくれます。問題のポイントをまとめた活かせる原則は解決の示唆になるし、デザイナーへのインタビューも参考になります。「インクルーシブ」なデザインのためにデザイナーが知るべきことを学べます。
よりよいデザインを伝えることから
デザインをつくるなら、誰かを排除しないデザインを作りたい。
ここでは、排除しないものを「やさしい」「使いやすい」デザインとします。
機能を考える際にそのものをアウトプットするスピードを重視して、本質的な課題をすっ飛ばしていないか。
デザインのための体験は多少時間を掛けても丁寧に考える必要があるのではないか。
スピードではなくクオリティを優先することになったとしても、一定のユーザビリティを担保するべきではないか。
スピードが優先される場合は、その担保するユーザビリティなどの質のラインを引くゴールの設定は最低でもできるとよいかもしれません。
プロダクトの「使いやすい」「やさしい」をそのユーザーにあわせてはじめに定義し、開発する参加メンバーでその意識をあわせていることも大事なことだと思います。
やや別の文脈にもなりますが、開発の現場などではデザインやデザイナー自体が排除の対象となることがあります。
開発都合などいろいろありますが、デザインの価値が伝わっていなくてものの絵を作って出してくれる機関としか、捉えられていない。悲しいことですが、トップダウン的にデザインを作って出せばよし、くらいだとデザイナーの力は発揮しづらいでしょう。デザインを巻き込める現場である方が、「やさしい」デザインの生まれる場所になるのではないでしょうか。
デザイナーは仕事の要件を捉えて、ビジュアルにある方向性を持たせた意図をのあるデザインを作り出します。そのデザインの意図は、プロダクトの価値があがる効果になるためのものです。その点では、デザイナーが「こう作りました」だけでなく、それに加えて「なぜならば…」をことばでもって説明できる必要も強く感じます。
「こうすれば排除のないやさしいデザインです。なぜならば…」をしっかり持つことを改めて大切にしていきたい。
ステークホルダーや関係者への啓蒙の意味を含めても、デザイナーがきちんと説明材料を示せる必要がありそうです。そのためには、学ぶことや経験を積むことも必要です。
「やさしい」「使いやすい」デザインの質をあげていくためには、まだまだ修行してもしたりないくらいに挑戦することがあるなあと考えています。
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