as 型アサーションでの失敗、そして配列から nullable な要素を除外する方法


こんにちは、 Gaji-Labo フロントエンドエンジニアの石垣です。

今回は案件でコードを書いていた際に経験した as (型アサーション)での失敗と、配列にある nullable な要素を除外する方法についてまとめたいと思います。

配列から undefined を除外したい

案件でコードを書いていた際に、 undefined になる要素が入りうる配列から undefined を除外したいというケースがありました。

<ExampleComponent items={array} />
// items の型は string[]
// array の型は (string | undefined)[]

JSで単純に undefined を除外するのであれば filter メソッドが使えます。

<ExampleComponent items={array.filter((item) => !!item)} />

しかし、TypeScript を使っていると依然として以下のようなエラーが表示されます。

型 '(string | undefined)[]' を型 'string[]' に割り当てることはできません。
  型 'string | undefined' を型 'string' に割り当てることはできません。
    型 'undefined' を型 'string' に割り当てることはできません。ts(2322)

型情報からも nullable な要素を除去する必要があります。

as で型アサーションをしてみる

一旦、 as で型アサーションをしてみました。

<ExampleComponent items={array.filter((item) => !!item) as string[]} />

そうするとコード上でエラーは発生しなくなりました。

が、 画面上で確認していると、ある特定の場面でエラーが表示されることに気づきます。

配列自体を string[] で型アサーションしていたので、配列自体が undefined のケースも黙殺されてしまっていたのです。

ユーザー定義の Type Guard を使う

解決策を調べていたところ、配列の型から undefined を除外するには除外するには NonNullable というユーティリティ型が使えることを教えてもらいました。

上記の items に NonNullable を適用するには、

<ExampleComponent
  items={array.filter(
    (item): item is NonNullable<typeof item> => !!item
  )}
/>

(args): args is NonNullable<typeof args> と書くことで、ユーザー定義の Type Guard を使うことができます。これは配列ではなく引数の型を定義できるものです。
これでエラーも出ず、配列自体が undefined のケースにも対応することができるようになりました。

まとめ

今回の件で二つのことを学びました。

  • 配列から nullable な要素を除外する方法
  • as 型アサーションは最後の手段として安直に使わない

as の危険性を身を以て知る結果になりました……。
今後、コードを書く上でもレビュー観点でも as の登場はなるべく防いでいきたいと思います。

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投稿者 Ishigaki Shotaro

未経験から Gaji-Labo に入社。現在は React/TypeScript/Next.js の案件で MUI を使ったコンポーネント組み込みを担当。プロジェクトチームのリードとして共に組み込み作業をしているメンバーの進行管理も行っています。休日はだいたい家で音楽を聴いており、たまにライブに出かけています。