非同期ペアデザイン
こんにちは、UIデザイナーの水澤です。
最近アサインされた案件でペアデザインを実践しました。そこで得た学びを書いていきます。
ペアデザインとは
定義を調べると、ペアデザイン手法として「ジェネレーターとシンセサイザーの役割に分かれる」「同じデザインタスクを同じ時間に同じ場所で行う」などがあるようですが、実際には企業や案件状況によってやり方は少しずつ異なり、絶対の方法はありません。
Gaji-Labo では先輩後輩を問わずできる限りフラットな関係性をカルチャーとしているため、今回実践したペアデザインもあくまで「デザイナー同士が連携してデザインする」という認識で取り組みました。また、メンバー間で稼働時間が異なるため、非同期コミュニケーションを意識しました。
ペアデザイン定義の参考:
https://note.com/tebiki/n/n9aaaf20c1b88(tebiki ブログ)
https://goodpatch.com/blog/engineer-meetup-vol5#i-5(Goodpatch Blog)
https://uxdaystokyo.com/articles/pairaphors/(UX TIME)
なぜ必要か
目的は、デザイン成果物の品質を高めることです。
ペアデザインで品質が高まる理由は、主観的なバイアスで起きる考慮漏れが、ペアデザインでは新しい視点が加わって防ぎやすくなる点です。また、役割を分けると、例えば全体的な戦略的思考をする人と実際の戦術的思考をする人を決めることで、一人の思考領域を定めて負担を軽減するメリットがあります。
今回は自分が入社して初めての案件だったため、フォローしやすい・されやすい体制を想定し、先輩とのペアデザイン体制で案件に取り組みました。
具体的にやったこと
担当範囲を明確にする
案件状況によりますが、今回は必要な画面ごとに担当範囲を分担しました。やってみて思ったことは「誰が何のポジションをやるか」よりも「誰がどこまでやるか」をお互いの共通認識にできたため、作業中の迷いが減りました。
変更点は相手が理解できるように明示する
非同期なペアデザインのため、やりとりが円滑になる工夫として変更点は明示的にメモを置いたり、コメントを残して相手が混乱せず理解できるように意識しました。これは自分のためでもあり、意図を汲んだ上でこのデザインが最適かどうか判断を伺う機会も兼ねています。
自分の進捗状況を共有する
1日に 1度以上は Slack でこれからやることや進捗状況を共有しました。スケジュールや担当範囲はあくまでも最初に決めたものなので、状況を見ながらフォローし合えることがペアデザインのメリットと考えています。意思疎通がしやすいように自分の状況を相手に伝えると相手も安心しやすいと思います。
これだけは避ける
人が増えるとコミュニケーションコストが掛かりますが、そのためにコミュニケーションを疎かにして目的を達成できなくなってしまったら本末転倒になります。デザイナーに限られたことではないですが、最初に担当範囲を明確にしたとしても案件の途中で「これはどっちのボールだろう?」と考えるタスクが発生することはよくあります。
怖いのは「たぶん相手がやってくれるだろう」という考えが浮かぶときです。なんらかの根拠があって本当にそう思っていても、その時点で自分の中にモヤモヤが発生している状態なので、冷静に考えてから自分がやる・相手に相談するなど対処するように心がけています。
やってみて学んだこと
デザインデータの履歴をどう管理するか
Figma は Version history 機能がありますが閲覧に時間が掛かるため、気軽に見返せるように Page を活用しました。差分ごとに Page を追加していく管理方法はすぐに決まりましたが、非同期の場合はどのタイミングで差分の区切りとするか少し悩みました。
今回は先方確認の段階を区切りとして Page を作成し、共有しないデータは Draft として作成した Page に保管することで、いつどのデザインデータを共有したか判断しやすくなりました。
デザインデータの作り方を統一するか
同じ見た目のデザインでも、作り手が違ければデータの細かな作り方が異なるのはよくあることだと思います。そもそも作り方まで完全に統一する必要性はほとんどありません。
ただ他のデザイナーが触りやすいデータに越したことはないため、例えば「Auto Layout を多用することは本当にいいのか?他の人が触りにくいデータになるんじゃないか?」という疑問を持っていました。
結論としてそのデザインデータに何が求められているかを起点として考えると、自ずと答えや優先の度合いが出るという考えに至りました。あまり深く考えすぎず、目的に戻って考えると悩みが解消されやすい気がします。
終わりに
今回お話したペアデザインはあくまでも自分が解釈したものになりますが、Figma という共同編集ツールが登場したことやコロナ禍によるリモートワークの普及で、非同期のペアデザインという解釈がこれから広がっていく気がしています。同期・非同期に関わらず変わらない品質で設計していけるように今後も試行錯誤していきます。
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