アクセシビリティ観点で CAPTCHA を考える
こんにちは、UIデザイナーの水澤です。
CAPTCHA とアクセシビリティは本質的に相入れないものとされています。CAPTCHA 本来の目的を知るとコンフリクトの理由が理解できたので、今回は CAPTCHA の目的・具体的にどのようなものがあるか(一例)をまとめてみました。
CAPTCHA とは
Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart の略で、アクセス者が人間であることを確認し、ロボットなどによる自動アクセスを排除するための仕組みです。
デザイニングWebアクセシビリティ – アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチより引用
基本的な CAPTCHA テストは、歪んだ文字列の画像を見せてそれをユーザーに入力させるなど、人間には理解できるが機械では回答しにくい設問を提示して、操作しているのが人間か機械かをテストします。
この仕組みによって、機械的にアカウントを大量に取得するなど、bot やスパムによるプラットフォームの悪用を防ぎます。
CAPTCHA とアクセシビリティが相入れない理由
ここまで CAPTCHA の目的と仕組みについて整理してみました。
CAPTCHA は人間か機械を判別し、機械を排除します。ということは、機械(支援技術)を利用してコンテンツを読み取りたいユーザーもアクセスができなくなってしまいます。
アクセシビリティはマシンリーダビリティに支えられています。機械によるアクセスを排除する仕組みとは、本質的に相入れないものです。
デザイニングWebアクセシビリティ – アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチより引用
reCAPTCHA とは
CAPTCHA の一種として、Google が提供している reCAPTCHA があります。Google は CAPTCHA 技術を開発し続けており、いくつかタイプが存在します。
reCAPTCHA v2 – Checkbox
チェックボックスを選択することによって、それが人間か機械であるかテストを開始します。元々あった reCAPTCHA v1 では、歪んだ文字列を画像から読み取って入力させていたため、それと比較するとアクセスしやすくなったように思います。
reCAPTCHA v2 – Invisible
reCAPTCHA v2 – Invisible では、ユーザーの操作は必要なくなりました。例えば送信ボタンが設置されている場合、そのボタンを選択後に認証の必要があるかを判定します。不要と判定されれば送信完了になります。
ただし、もし認証が必要と判定された場合は、画像認証の操作が必要になってしまいます。そうなれば、特に視覚に頼れないユーザーはアクセスができません。
reCAPTCHA v3
reCAPTCHA v3 の見た目は reCAPTCHA v2 – Invisible と同様で、ユーザーの操作も必要ありません。それが人間か機械かテストするのではなく、それぞれにスコアをつけることで対処方法を検討できます。
スコアが高いほど人間である可能性が高いため、例えば一定の低いスコアのユーザーに対して足切りとしてリクエストを拒絶することもできます。
まとめ
reCAPTCHA を例にいくつかのタイプを見てみると、CAPTCHA は確実に進化してきていると感じます。ですが、CAPTCHA の目的は機械を排除することにあるため、すべてのユーザーに対してアクセシブルにするには導入を避けることが重要と理解できました。
プロジェクト要件によってはどうしても CAPTCHA を導入しなければならない場面も出てくると思いますが、もし導入するときはできる限りアクセスできるユーザーを増やすため、代替手段を忘れずに用意したいと思います。
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