このボールは誰のもの?プロジェクトを前進させるパスワークを考える(1)
ビジネスの文脈で、タスクの責任の所在や誰が担当しているかを「ボール」に例えて表現することがよくあります。
Web開発のプロジェクト内においても、多くの人の間のコミュニケーションパスを無数のボールが目まぐるしく飛び交っています。コミュニケーションはプロジェクトを成功させるために決して欠かすことのできない最も重要な原動力です。
Gaji-Labo はスタートアップをチームワークで支援する会社です。スタートアップではスピードが求められるのが常ですが、その開発のなかでチームワークを発揮してより良い価値を生み出していくためには、迅速で正確なパスワークが非常に重要です。
この記事では、プロジェクトを前進させるための効果的なボールハンドリングについて考えてみましょう。
パスを早く正しく回すために
プロジェクトにおけるコミュニケーションはスピードが大事ですが、気をつけていてもボールは停滞し、頻繁に止まってしまうものです。そこで意識していきたいポイントは、自分の手元にきたボールを長く持ち過ぎないことです。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、意外にこれは簡単なことではありません。
では、なぜボールを長く持ち過ぎてしまうのでしょうか。
- タスクについて分からないことがある
- タスクの難易度が高いために作業着手に時間がかかっている
- 何か(誰か)を待っている
などなど、様々な理由が考えられます。
これらの課題は「困り事」として可視化して共有し、それを解消していくことでコミュニケーションは正常に流れるようになるはずです。
問題を可視化して共有する
例えばタスクについて不明点があるのならば、速やかにそれを知っている人に聞きます。
分からないことを分かろうと奮闘しても時間を無駄に費やしてしまいます。人に聞く時は出来るだけオープンな場所で聞き、周りのメンバーに問題を認識してもらうと良いです。
誰に聞いたら良いのか分からないケースでは、チーム全体に問いかけてみましょう。これはチームのコミュニケーションパスに穴がある可能性もあるので、必要に応じて「誰に聞いたら良いか」リストを更新しなければなりません。
タスクの難易度が高い場合も同じです。
いつまでも一人で悩まずに、作業に詰まったらできるだけはやくにメンバーに相談するようにしましょう。相手が忙しいのではないかと遠慮してはいけません。その遠慮はかえってチームの動きを停滞させることにつながります。カジュアルに相談できるような心理的安全性のある環境では、タスクは健全かつ迅速に進行します。そのような環境づくりのためにも、メンバーひとりひとりがすすんで質問をしていきましょう。
何か(誰か)を待っているのならば、何を待っているのかをチケット等で共有しましょう。
待たれている人が自分待ちのステータスであることを認識していない場合は、それをもって通知することができます。また、周りの人たちに何がそのタスクをブロックしているのかを認識してもらえば、気付いた人間がその障害を解消できるかもしれません。
大切なのは問題が周知されていることです。
それに対し、一番危険なのは一人で問題を抱え込み続けてしまうことです。
ボールをひとりで抱えないこと
手元のボールを自分で持ち続けているのは非常に危険な行為です。特に、周りから見えないところにボールを隠していると、予期せぬ事故につながることとなります。
- 問題が発生した場合に誰もフォローができない
- 知らないうちに問題が大きくなり、爆発してしまう
- タスク完了までに、必要以上の時間を要してしまう
- 誰も知らないところでタスクが忘れ去られてしまう
ひょっとすると、ボールを人に渡さないのは責任感の強さが理由かもしれません。自分が任されたタスクだから、自分が完遂しないといけないと考えているかもしれません。しかしボールはチームのもので、ひとりだけで完結するものではありません。チームで動いているという意識が大切なのです。
タスクを独り占めせずメンバーと共有していくことで、品質もスピードも大きく向上し、そしてチームワークという信頼の形へと結びつきます。それこそまさに、Gaji-Laboが届けたい価値そのものです。
まとめ
この記事では、コミュニケーションが停滞してしまう原因とその解消法、そして問題をひとりで抱え込んでしまった場合のリスクについて考えました。
コミュニケーションが止まればプロジェクトの進行はスタックします。プロジェクトを順調に前進させるためには潤滑なコミュニケーションが必要となり、それを阻む問題を都度解消していかなければなりません。問題は日々発生します。進行役はその問題を「発見する能力」も求められるのです。
Gaji-Labo はスタートアップ支援という役割のなかでスピードと品質のバランスを保ちつつ、チームワークという価値を提供しています。そしてそのエンジンとも言えるコミュニケーションをとても大切にしているのです。
次回は「ボールの渡し方」について考えていきたいと思います。
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