Gaji-Laboの哲学・理念を詰め込んだカルチャーデッキが自慢です
1年ほど前にGaji-Laboではカルチャーデッキを作成しました。この1年、様々な場面で活用され、欠かせないドキュメントになっています。社内ではツールとしての存在を超えて、Gaji-Laboの哲学や理念を表す大事な存在として愛されています。
特に採用に力を入れはじめた時期に「新しくメンバーになる人やGaji-Laboに興味を持ってくれた人にカルチャーを伝える資料がほしい」という声があがったのが制作のきっかけです。社内全員の目を入れられるプロセスを経て、すでに在籍しているメンバーの納得感を重視してじっくりと練り上げました。
私たちが大事にしていることをビジョン・ミッション・バリュー、そしてそれに紐付くスタイルとしてひとつのドキュメントにまとめ上げるには、3ヶ月以上を要しました。制作のプロセス含め、社内のメンバーが試行錯誤して作り上げた大事なドキュメントです。
Gaji-Laboのビジョン
「すべての人々にとって選択の自由があることが当たり前な世界を作る」
Gaji-Laboのミッション
「Web技術を通じて、新しい選択肢を生み出す顧客の支援をする」
ビジョンとミッション、それに紐付くことをしっかりと言語化したことで、今まで体感値として在籍メンバーが持っていたカルチャーに共感してくれる方々が増え、その後の採用やコミュニケーションに大きな影響を及ぼしてくれています。
カルチャーデッキそのものに興味を持ってもらえたら、スライドをひととおり見ていただけたらうれしいです。また、作成のプロセスに興味のある方は、以下のセクションが参考になるかと思います。でも、実はGaji-Laboの場合はちょっと特殊で、参考にならない箇所も多くあるかもしれません…。
カルチャーデッキの作成プロセス
カルチャーデッキ作成は、タスクフォースを組成して制作を進めました。タスクフォースは社歴が長いメンバーもまだ入社してから日が浅いメンバーも混合で組成され、そこに創業者である山岸も加わって様々な視点から内容を吟味しました。大まかに以下のような流れで行いました。
- カルチャーデッキの目的を明確にする
- 企業のビジョン、ミッション、バリュー、ポリシーなどを整理する
- カルチャーデッキに含める情報を選別・決定する
- 情報を簡潔かつわかりやすくまとめてマークダウンの一時ドキュメントにする
- カルチャーデッキに独自の名前を付けるかどうか検討する
- 作成途中の内容を社内に明示的に共有し、全体でのレビューを入れる
- レビューから必要と思われることを反映し、第1版に向けての内容を確定する
- ブランディングに沿ったビジュアルで視覚的なデザインをする
- 作成したカルチャーデッキを社内に共有・説明し、改めて理解してもらう
- ユースケースを共有し、社内外での積極的に活用を目指す
まずはあちこちに散らばった情報を集める
カルチャーデッキの内容は、存在しないものをゼロから立ち上げたわけではなく、今までたくさんのアウトプットとして社内に散らばっていたたくさんの情報やテキストを集めるところからはじまりました。
会社ブログのエントリ、社内ドキュメントツールであるesaへのポスト、コラボレーションツールとして活用しているMiroでのワーク内容、Slackでの発言やディスカッション、本当にありとあらゆるところに哲学やマインドを示す情報が散らばっています。
案件に紐付く情報なら案件フォルダや議事録としてまとまっていますが、会社の哲学や人格を表す情報となると、本当に様々なところに埋め込まれてきたのだなぁ、と感心するくらいたくさんありました(笑)。
Gaji-Laboのカルチャーデッキ作成プロセスのいちばん特殊なところは、この「情報を集める」の段階にあると考えています。哲学や理念・カルチャーに関わるアウトプットが本当にたくさんあるので、集めるだけでいったんの材料は揃ってしまうのです。しかもその内容は創業者・役員だけがアウトプットしたものではないところがまたユニークで、メンバー自身のアウトプットもかなりの数があるのです。
その点がGaji-Laboカルチャーデッキが最初から活きたドキュメントである理由であり、在籍メンバーの納得度を高く保てている要因でもあったりします。世の中のカルチャーデッキ制作で最初にネックになるところだと思うので、そこが最初からクリアされている時点で恵まれた環境なのだと思います。それは素直に自慢です。すみません、自慢しちゃって。
集めた情報を再編する
それらを集め、分類し、わかりやすい言葉に編み直してゆく作業。取り組んでいたメンバーの中でも様々な気付きがあって、「本当ならその作業から一緒に参加したかった!」と言ってくれるメンバーもいました。明示的な共有・レビューは複数回にわけてしっかり設けましたが、進捗があるたびに覗きに来てくれるメンバーもいて、作る過程そのものをみんなで楽しめていたのも自慢です!
再編する際には、抜け落ちているコンテキストを再確認するために、創業者へのヒアリング・インタビューも重ねて行われました。「この時はこんなふうに書いてあるが、どんな背景があったのか?」「この内容を私たちはこう解釈したが、実際はどうなのか?」などなど、対話の時間を多く設けてもらうことで、重要な行間をいくつもすくい上げてもらったと感じています。
情報を新たなわかりやすいテキストとして再編するのには、なかなか時間を要しましたね〜! 自分たちがしっくり来ない言葉は絶対に使わない、社内だけで通じるジャーゴンに寄りすぎない、わかりやすさを大事にしたい、けれどわかりやすさを優先するがゆえに嘘になるような表現はしたくない。再編作業をしている時のタスクフォースメンバーは、とにかくワガママに上記の気持ちを通すことを心がけて、妥協のない再編を目指してくれました。ここで妥協をせずがんばってくれたのも自慢です。
ブランディングに沿ったビジュアルにこだわる
さらにこだわりを発揮したのは、スライドのビジュアルとイラストです。タスクフォースメンバーにはデザイナーも参加しており、色の選定からイメージ表現まで、できる限りのこだわりを詰め込んでいます。
また、デザイナー以外のメンバーの感覚も大事にしたかったため、デザインレビューに慣れていないメンバーの「なんとなくこうな気がする/こうではない気がする」「こういうデザインだとよい気がする/こうだとモヤモヤする」といった、デザイン言語に変換できない感覚・感触をていねいて吸い上げることに力を尽くしてくれました。
Gaji-Laboはプロモーションやビジュアル重視のグラフィックデザインは専門としておらず、あくまでUIデザインを真ん中に置いている会社なのですが、カルチャーデッキはGaji-Laboに触れてくださる方々とのコミュニケーションツールだと考えてデザインを行いました。私たちのカルチャーが手ざわりとして伝わるようなドキュメントにしたい。デザイナーだけでなく、みんながそう思ってたくさん検討を重ねてくれました。
特に弊社デザイナーの八木が描いてくれたイラストは、社内みんなの自慢です。
Gaji-Laboカルチャーデッキは私の自慢です
ずっと自慢自慢言っておりますが、本当にカルチャーデッキは私の自慢です。自分が作ったものではなく、みんなが作り上げてくれたもの。けれど創業当時から役員として伝え続けていることを形にしてもらったもの。
完成した当時にブログを書くこともできたのですが、1年間カルチャーデッキを活用し、新入社メンバーへのカルチャーの浸透などを見守ってきたからこそ、これだけ大きな声で「自慢です」と言えるようになりました。
カルチャーデッキは飾りではない。私たちの哲学であり信念です。花も実もあるドキュメントです。この1年、採用に活用してきたことで、私たちの哲学や信念に共感してくれる人が入社してくれるようになりました。カルチャーを理解して共感してくれる人が増えていることも自慢です。在籍メンバーがカルチャーを大事にして常に心の中に置いていてくれるのも自慢です。
次回は哲学や理念を下支えする「Gaji-Laboスタイル」のことを書きたいと思います。Gaji-Laboスタイルは会社の人格とも言えるもの。またひとつひとつ紹介していきます。